アストラ・アグロ・レスタリ(AALI)はインドネシア最大のパーム油サプライヤー
こんばんは
かぶろまです。
本日は アストラ・アグロ・レスタリについて考察していきたいと思います。ティッカーシンボルはAALIです。
結論、2021年期の業績が回復する予想により、株価が反転してきているものの、まだ下落トレンドの最中であると思いますので、もう少し観察しなくてはいけない株であると考えております。
【目次】
アストラ・アグロ・レスタリとは
アストラ・アグロ・レスタリはインドネシア最大の農業・農場運営会社です。アブラヤシのプランテーション栽培しており、東南アジアで何個かのアブラヤシ工場と精製所を運営しています。パームオイルのビジネスがメインのビジネスです。世界では7000万トンのパーム油が製造されますが、そのうちの55%はインドネシアで生産されたものです。そのインドネシアの中での最大のパーム油のサプライヤーがアストラ・アグロ・レスタリです。なお、世界のシェアは2.19%もっており、世界第4位です。
(参考:パームオイル(油ヤシ)業界の世界市場シェア(2019年))
【農園・工場の所在地】
株主の約80%は アストラインターナショナルが保有しています。アストラインターナショナルは7つの事業を持つコングロマリット企業で、メインはオートモービル(自動車)事業となっております。
アストラ・アグロ・レスタリの業績
アストラ・アグロ・レスタリの3期分のPLをまとめてみました。
順調に売上を伸ばしていましたが、2019年期は減収となってしまっております。営業利益率も落ちていますね。2020年期は戻す予定ですが、純利益を見ると2017期と比べると半分になってしまっております。2019年期がなぜ不調だったかというと天候不良によるFFB(フレッシュフルーツバンチ)の生産量の減少があったとのことです。2018年は576万トンだったのが、2019年は502万トンになってしまったことが業績に悪影響を与えたとレポートされています。また、パーム油の価格が落ちてしまったということです。エルニーニョ現象と長い乾季に悩まされ生産量も落ちてしまったとのことで。
アストラ・アグロ・レスタリのこれからの市場
アメリカと中国の貿易戦争によりインドネシアが経済的な打撃をうけております。それはアストラ・アグロ・レスタリのアグリビジネスにも悪影響を与えていました。そしてアメリカの大統領はトランプ大統領からバイデン大統領へと変わりましたが、いまのところアメリカは中国に対して歩み寄ることはしておりません。したがって、しばらくはこの状況が続きます。
パーム油はスナック菓子・パンなどの食用油として使われます。インドネシア人口は増えるので、今後の消費量は伸びると考えられます。また前述のとおり、インドネシアはパーム油の世界的サプライヤーです。したがって、インドネシアだけでなく世界人口の増加も業績に寄与していくと考えられます。
【インドネシアの人口の推移予想】
(情報元:世界の人口ピラミッド(1950~2100年)
世界でのパームオイルの生産量も右肩上がりで増えていますね
(出展:業界再編の動向:パームオイル(油ヤシ)業界の世界市場シェアの分析) )
株価
(Yahoo!Financeより)2021.02.09
株価を見ると、業績を写すかのように下落してしまっております。直近では株価を戻してきておりますが、それでもPERを見ると31.5倍と割高水準となります。2021年期は利益が2倍になる予想もたっておりますので、そうなれば15倍程度には落ち着くのでしょうが、まだ業績の経過を把握しないといけないと思います。順調に業績が上がるのであれば、この株価の下落トレンドも反転すると思いますので、今後の業績をチェックしていきたいと思います。
配当利回りは年利0.81%ですので、あまり期待できない株です。2020年期は91ルピアだったものの、2017年期は518ルピア配当しているので、業績が上がれば配当もしてくれる企業のようです。
(楽天証券 2021年2月9日)
まとめ
アストラ・アグロ・レスタリは業績を落としてしまいましたが、今後の回復が見込まれております。しかし、それは良くも悪くもパーム油の価格に左右されてしまいます。今後の世界での消費量は増えると思いますので、需要は底堅いと考えておりますが、今のPERからするとまだ割高だと思いますので、もう少し業績をウォッチするべきだと考えております。
それでは、またー。
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