アストラ・インターナショナル (ASII)はインドネシアの自動車産業を支える会社
こんばんは
かぶろまです。今日もインドネシア株の考察をしていきます。
今日はアストラ・インターナショナルについて考察していきたいと思います。ティッカーシンボルはASIIです。
結論はというと 、業績がへこんでおり、チャートもまだよい形をしているわけではないので購入は見送りたい株となります。
【目次】
アストラ・インターナショナルとは
アストラ・インターナショナルは7つの事業セグメントを持っているコングロマリット企業で、2021年2月現在238社もの子会社を保有しております。その中でもメインの事業セグメントは自動車セグメントです。自動車セグメントではトヨタ、ダイハツ、いすゞ、BMW、プジョー、UDトラックス、ホンダの二輪車などのブランド車を提供しています。また自動車の他にも、金融サービス、重機・鉱業、アグリビジネス、インフラ・物流、情報技術、不動産という合計7つのセグメントで事業を展開しています。売上の43%は自動車産業によるもので、35%は重機鉱業によるものなのでおおむねこの2つのセグメントで成り立っているといえます。なお、自動車産業においてはアストラ・インターナショナルはインドネシア最大の時価総額をもっております。
インドネシアの車のシェアは日本車が上位を占めています。したがってその販売権を持っているアストラ・インターナショナルは大きな強みとなっております。
(情報元:自動車販売台数速報 インドネシア 2019年)
また、2019年にはGOJECに大規模な投資をしております。
【ゴジェックについてはこちらの記事もご参照ください】
株式の50.1%はジャーディン・サイクル・アンド・キャリッジというシンガポールの会社が所有しております。日本のトヨタ自動車も株式の4%を保有しており、株式の保有比率は第2位です。
アストラ・インターナショナルの業績
アストラ・インターナショナルの3期分のPLをまとめてみました。
2020年の売上は大きくへこむことが予想されています。コロナの影響を受ける形で外出が控えられているので仕方ないかもしれません。利益も大きく落ちてしまっているので2021年以降どれだけ回復できるのかに注目していきたいです。営業利益率は10%台と落ち着いているので、売上を伸ばす方向を考えた方がいいですね。
アストラ・インターナショナルのこれからの市場
インドネシアは2018年時点では自動車の販売台数が106万台となっており、タイの87万台を突き放し東南アジア最大の自動車販売国となっております。ただし、インドネシアでは自動車はぜいたく品ということでぜいたく税が課せられてしまうので、その点はマイナスです。実は2013年には123万台を販売しており、販売台数は伸び悩んでいます。2021年3月にはコロナの影響もあり、ぜいたく税の減免がはじまっております。これで消費者としては購入はしやすくなっていると考えられます。
(出展:じゃかるた新聞)
今後はEV車も普及しますし、中国メーカーが参入してきている面もありますので、業界のバランスががらりと変わってしまうかもしれません。今はアストラの子会社が日系企業と組んで販売している日系の車がインドネシアでは主流です。自動車業界は販売拠点も重要ですが、販売後のアフターサービスも重要な業界です。したがって中国メーカーが参入してきたからと言ってすぐに、シェアを奪われるわけではないと思いますが、中長期的には脅威だと考えられます。アストラも中国メーカーと組むなどの戦略をとっていくかもしれません。
中国のEV車はとても安価です。したがって国民全体が所得の高いわけではないインドネシアには魅力的だと思います。さらにインドネシアは温室効果ガスを約30%下げることを2030年までの目標としております。したがってEV車は必ず取り組むテーマになっており、EV車を300万台まで増やそうとしております。このことからも今までの日本車の販売ではアストラ・インターナショナルはビジネスに疑問符がついてしまいますね。扱う製品の転換が必要だと思います。
インドネシア人口は増え続けますので、車の販売台数は増加すると考えます。そのためにも渋滞が世界一ひどいといわれている公共機関の整備が国として必要なのだと思います。
【インドネシアの人口の推移予想】
(情報元:世界の人口ピラミッド(1950~2100年)
株価
アストラ・インターナショナルの5年間の株価の推移です。2017年から株価は下落トレンドになっております。
(Yahoo!Financeより)2021.02.24
2020年末に少し戻しましたが、まだ反転したとはいえません。さらなる下落に注意するべきだと考えます。逆に今くらいから上昇をしてくれると逆三尊という底のシグナルもでると思いますので、まだ様子見した方がいいと考えております。
(楽天証券 2021年2月25日)
配当は3.2%でPERは11.6倍なので買い時であるとは考えられます。ただ、新しい決算がでたらPERはもっと上がってしまうと思います。今の数字だけをみて割安とは判断できないと思います。
まとめ
アストラ・インターナショナルはインドネシアの自動車産業を支えている企業ですが、業績がへこんでしまっております。株価も下落トレンドですので、PERや利回りは良さげに見えますが、さらに株価は悪化する可能性もあります。したがってまた業績をウォッチし、購入は見送るのがよいと考えております。
こちらの記事もどうぞ!